マーガレット/恋を占う
ぷつり
(奴は、俺が好き)
はらり
ぷつり(嫌い)はらり
ぷつり(好き)はらり
ぷつり(嫌い)はらり
ぷつり(すき)はらり
ぷつり(きらい)はらり
ぷつり(すき)はらり
ぷつり(きらい)はらり
ぷつり
(・・・す、き)
はらり。
(あと、1枚、2枚、3枚・・・3枚)
花を放りだす。
こんな花で何が決まるというのか。
ソファーの後ろには、鮮やかな色合いの花びらが3枚だけついた茎がいくつもいくつも散らばっている。
(花占いなんて、女じゃあるまいし)
はは、と自嘲の声を零しながら、また新たな花をとる。花瓶はとうとう空っぽになってしまった。
(俺は、奴が)
ぷつり
(きらい)
はらり
ぷつり(すき)はらり
ぷつり(きらい)はらり
ぷつり(すき)はらり
ぷつり(きらい)はらり
ぷつり(すき)はらり
ぷつり(きらい)はらり
ぷつり(すき)はらり
一定のペースで、一枚づつ丁寧に、丁寧に、花びらをむしり取っていく。
まるで何かを祈るように。あるいは何かを呪うように。
ぷつり(きらい)はらり
ぷつり(すき)はらり
ぷつり(すき)はらり
ぷつり(きらい)はらり
ぷつり(すき)はらり
(きら・・・・)指先がさまよう。そこにはもう花びらはなかった。
ガユスは顔を覆う。深い深い溜息を吐いた。
(ああ、こんなにも)
おれはおまえのことが。
花びらの山にぽつりと何かが落ち、するするとすべり落ちていった。