桜草/私を信じよ

私は奴からおびえられている。
そんなことを本人に言えば面倒なことになるので言わないが。
目をやれば身じろぎし。
近づけば視線をそらされ。
触れればその目に動揺を映す。
欲しいの信頼ではなくその心のすべてだが、猜疑心が強いその心は怯えられていては信頼すら手に入れることは出来ない。

私を信じよ、ガユス。


どうも最近ギギナが怖い。
ギギナに恐れを抱いている訳ではない、決してそういう訳ではない。
最近のギギナは妙な雰囲気をかもし出している。その雰囲気はうっとうしくて仕方がなくて、それをギギナに伝えたくて仕方がないのだが、俺の優秀な知能が伝えてくる。
深入りするな。と。
そういうわけで放置しているが、居心地が悪くて仕方がない。
原因がさっぱり分からないあたりがまたなんとなくやな気分にさせてくれる。
早く何とかならないかなあ、あれ。


絶賛妙な雰囲気かもし出し中のギギナからの視線を感じて、眉間にしわが寄る。
視線をやれば訝しげに眉根を寄せられた。


何だよほんとに。
・・・少々精神的に来るものがあるのだが、その反応は。


「私を信じよ、ガユス」


え、無理。
ガユスの眉根がさらに寄る。


「なんだいきなり」


訳が分からないし、理解できない。(もとより理解する気もないが)でもなんとなく気持ち悪い。
独り言、だろうか。・・・まさか口に出していたのか?




沈黙が支配する部屋の前を、優雅な足取りでエルヴィンが横切っていった。




短い。徐々に長い文が書けるようになる・・・なれるだろうか。
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